副社長とふたり暮らし=愛育される日々
赤い舌が、至るところを舐め回すから、もう恍惚感と羞恥心でどうにかなりそうだ。


「や……っ、も、恥ずかし……!」

「裸ならこの間もう全部見たけど」

「あ、あれは別です!」


身じろぎしながら、淡々と言う彼につっこんでしまった。

だって、私がお風呂で寝てしまっていたあの時の一件は、ハプニングであって色気なんてあったもんじゃないし。

すると、朔也さんは少し上体を起こし、なぜか苦笑を浮かべる。


「あの時は嫉妬したのもあるけど、お前のあんな姿見たら、欲情しないほうが無理だった。情けないが」


あの時のことを思い返すと、いろんな意味で恥ずかしくなって、私も苦笑いしてしまう。そんな私の指に、彼は自分のそれを絡ませ、熱視線を向ける。


「今日は、もっとちゃんと愛させて」


ドキン、と心臓が喜ぶように跳ねた。いつだって、あなたは私を大切にしてくれているけどね。

口元を緩めてこくりと頷くと、彼の唇が首筋に埋められ、愛撫が再開される。

……ものすごく、気持ち良い。私を翻弄する手や舌に、熱く見つめる瞳に、身体がどんどん溶かされていくのがわかる。

脳みそまでとろけそうになる頃には、すでにショーツも取り払われていて、わけがわからないほどの快感に襲われていた。

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