副社長とふたり暮らし=愛育される日々
少々挙動不審な私に、こちらも仕事を抜け出してお見送りに来た三嶋さんが、腕を組んで言う。
「あの世界は厳しいわよ。もっと自分磨きしないと」
「重々承知しております」
本当にそうだよなと思い、しっかりと頷くと、三嶋さんは嫌味のない笑みを見せた。
彼女とはあれからも会議で会っていて、やっぱり基本はクールだけれど、わからないことは教えてくれるし、私をサポートしてくれている。とても頼りになる存在だ。
そんな彼女は、朔也さんを眺めながら突然こんなことを告白する。
「今だから言うけど、私ブラコンなの」
三嶋さんを見て一時停止する、私と七恵。
さっき、ふたりが異父兄妹だということは三嶋さんも話してくれたのだけど、実は彼女がお兄ちゃん大好きっ子だというのも、すでに七恵にも話しちゃっているんだよね……。
黙る私たちに目を向けた三嶋さんは、なんだか物足りなさそうな様子。
「……リアクション薄」
「あ、いや、びっくりしすぎて!」
七恵と声を揃えて、今初めて聞いたフリを貫いた。三嶋さんは怪訝そうにしつつも、話を続ける。
「朔と血が繋がってなかったらなーなんて思った時も、正直あったわ。だから、あなたが現れた時、本当はちょっと嫉妬してた」
素直な想いを吐露する彼女は、「でも」と続けて私に微笑みかける。
「りらさんならいいかなって、今は思ってる」
「あの世界は厳しいわよ。もっと自分磨きしないと」
「重々承知しております」
本当にそうだよなと思い、しっかりと頷くと、三嶋さんは嫌味のない笑みを見せた。
彼女とはあれからも会議で会っていて、やっぱり基本はクールだけれど、わからないことは教えてくれるし、私をサポートしてくれている。とても頼りになる存在だ。
そんな彼女は、朔也さんを眺めながら突然こんなことを告白する。
「今だから言うけど、私ブラコンなの」
三嶋さんを見て一時停止する、私と七恵。
さっき、ふたりが異父兄妹だということは三嶋さんも話してくれたのだけど、実は彼女がお兄ちゃん大好きっ子だというのも、すでに七恵にも話しちゃっているんだよね……。
黙る私たちに目を向けた三嶋さんは、なんだか物足りなさそうな様子。
「……リアクション薄」
「あ、いや、びっくりしすぎて!」
七恵と声を揃えて、今初めて聞いたフリを貫いた。三嶋さんは怪訝そうにしつつも、話を続ける。
「朔と血が繋がってなかったらなーなんて思った時も、正直あったわ。だから、あなたが現れた時、本当はちょっと嫉妬してた」
素直な想いを吐露する彼女は、「でも」と続けて私に微笑みかける。
「りらさんならいいかなって、今は思ってる」