副社長とふたり暮らし=愛育される日々
三人で混乱しながらヒソヒソと話していると、荷物を預け終わったらしい朔也さんがこちらにやってきて、一旦明智さんの謎は置いておくことにした。
凛々しいスーツ姿で、優しい笑みを浮かべる彼を見ると、もう少しでしばしのお別れなんだという実感が、じわじわと込み上げてくる。
……寂しい。別のことを考えて気を紛らせていたけど、その努力は呆気なく無駄になりそう。
「皆ありがとな。見送りなんていいのに、わざわざ来てくれて。千紘まで来るとは思わなかったよ」
呆れたように笑う朔也さんに、私も同感だ。なぜかお兄ちゃんまでついてきちゃったのだから。
飛行機を眺めていた窓から離れ、こちらに近づいてきた当の本人は、当然!と言うように堂々としている。
「そりゃ来ますよ。瑞香の大切な人は、俺の大切な人でもあるんだから」
「はは、ウザいな」
爽やかな笑顔でキツいひと言を口にする朔也さんと、「あ、ひどい」としょぼんとするお兄ちゃんに笑っていた、その時。
「あれっ、りらさんがいる」
斜め後ろから声がしたので振り返ると、大きめのサングラスを下にずらして、丸くした瞳を覗かせる海都くんがいた。
うそ、まさか彼もこれからフライト!?
凛々しいスーツ姿で、優しい笑みを浮かべる彼を見ると、もう少しでしばしのお別れなんだという実感が、じわじわと込み上げてくる。
……寂しい。別のことを考えて気を紛らせていたけど、その努力は呆気なく無駄になりそう。
「皆ありがとな。見送りなんていいのに、わざわざ来てくれて。千紘まで来るとは思わなかったよ」
呆れたように笑う朔也さんに、私も同感だ。なぜかお兄ちゃんまでついてきちゃったのだから。
飛行機を眺めていた窓から離れ、こちらに近づいてきた当の本人は、当然!と言うように堂々としている。
「そりゃ来ますよ。瑞香の大切な人は、俺の大切な人でもあるんだから」
「はは、ウザいな」
爽やかな笑顔でキツいひと言を口にする朔也さんと、「あ、ひどい」としょぼんとするお兄ちゃんに笑っていた、その時。
「あれっ、りらさんがいる」
斜め後ろから声がしたので振り返ると、大きめのサングラスを下にずらして、丸くした瞳を覗かせる海都くんがいた。
うそ、まさか彼もこれからフライト!?