副社長とふたり暮らし=愛育される日々
予想通り、どんどん綺麗になっていくな。
鍵をかけていたとしてもオフィスでしてはいけない、あられもない妄想が一瞬頭を過ぎるが、「朔也さん……!?」という瑞香の声で引き戻された。
大きな目で、オバケでも見るかのように俺を見つめる彼女に、ふっと微笑みかけ、とりあえずふたりに向かって挨拶する。
「お疲れ。忙しいところ悪いな」
「いいえ、全然! どうぞどうぞ!」
気が利く若松さんは俺を奥へと促し、さっそくふたりにしてくれるようで、そそくさとドアに向かう。
そして、目が溶けそうなほどニヤニヤしながら、
「ごゆっくり。鍵かけちゃっていいですから」
と、俺の考えを見抜いているかのようなひと言を残して、部屋を出て行った。……お言葉に甘えてそうさせてもらおう。
さりげなく鍵を閉めて、瑞香に向き直る。立ち上がった彼女は、沈丁花を思わせるオフホワイトのパーティードレスに身を包んでいた。
その可憐さに目を奪われながらも笑みを向ける。
「久しぶり、瑞香」
「朔也さん……まさか今、会えるとは」
彼女はいまだに信じられないような、でも嬉しそうな顔を見せている。
それもそのはず、今日帰るとは伝えたが、発表会の前に会おうとは言っていなかったから。
鍵をかけていたとしてもオフィスでしてはいけない、あられもない妄想が一瞬頭を過ぎるが、「朔也さん……!?」という瑞香の声で引き戻された。
大きな目で、オバケでも見るかのように俺を見つめる彼女に、ふっと微笑みかけ、とりあえずふたりに向かって挨拶する。
「お疲れ。忙しいところ悪いな」
「いいえ、全然! どうぞどうぞ!」
気が利く若松さんは俺を奥へと促し、さっそくふたりにしてくれるようで、そそくさとドアに向かう。
そして、目が溶けそうなほどニヤニヤしながら、
「ごゆっくり。鍵かけちゃっていいですから」
と、俺の考えを見抜いているかのようなひと言を残して、部屋を出て行った。……お言葉に甘えてそうさせてもらおう。
さりげなく鍵を閉めて、瑞香に向き直る。立ち上がった彼女は、沈丁花を思わせるオフホワイトのパーティードレスに身を包んでいた。
その可憐さに目を奪われながらも笑みを向ける。
「久しぶり、瑞香」
「朔也さん……まさか今、会えるとは」
彼女はいまだに信じられないような、でも嬉しそうな顔を見せている。
それもそのはず、今日帰るとは伝えたが、発表会の前に会おうとは言っていなかったから。