副社長とふたり暮らし=愛育される日々
「副社長がベッド使ってください。私は床でも寝られますから」
すると、ほんの少し眉根を寄せた彼から、すぐにこんなひと言が返ってくる。
「可愛い猫に雑魚寝なんてさせられない」
「もう猫から離れてください!」
そういえばまだフードを被ったままだったことを思い出し、サッと取りながらつっこんだ。
“可愛い”と言われ、冗談でもちょっぴり嬉しくなってしまったのは置いておこう。
副社長は着替えを取るためか、私がいる寝室に向かってきながら言う。
「俺はソファで寝るから大丈夫だ」
「いえ、宿主様にそんなことさせるわけにはいきません!」
一向に引かない私に、チェストから服を取り出している彼は、小さな小さなため息を漏らした。
そして、入口に立つ私のすぐそばにやってくると、気だるげな調子でこんな提案を投げかける。
「……じゃあ、一緒にベッドで寝るか?」
「そっ──!」
そ、そんなの余計無理に決まってる!
と言おうとして言葉を詰まらせ、口を開けたまま顔が赤くなっていくのを自覚していると。
「嫌だろ? 遠慮しないで使え」
ふっと微笑んだ副社長は、私の頭をぽんと撫でて、バスルームへ向かっていってしまった。
ひとりになった静かな部屋の中、深く息を吐きながら思う。
私、決して彼のことが嫌なわけではないんだよなぁ、と。
すると、ほんの少し眉根を寄せた彼から、すぐにこんなひと言が返ってくる。
「可愛い猫に雑魚寝なんてさせられない」
「もう猫から離れてください!」
そういえばまだフードを被ったままだったことを思い出し、サッと取りながらつっこんだ。
“可愛い”と言われ、冗談でもちょっぴり嬉しくなってしまったのは置いておこう。
副社長は着替えを取るためか、私がいる寝室に向かってきながら言う。
「俺はソファで寝るから大丈夫だ」
「いえ、宿主様にそんなことさせるわけにはいきません!」
一向に引かない私に、チェストから服を取り出している彼は、小さな小さなため息を漏らした。
そして、入口に立つ私のすぐそばにやってくると、気だるげな調子でこんな提案を投げかける。
「……じゃあ、一緒にベッドで寝るか?」
「そっ──!」
そ、そんなの余計無理に決まってる!
と言おうとして言葉を詰まらせ、口を開けたまま顔が赤くなっていくのを自覚していると。
「嫌だろ? 遠慮しないで使え」
ふっと微笑んだ副社長は、私の頭をぽんと撫でて、バスルームへ向かっていってしまった。
ひとりになった静かな部屋の中、深く息を吐きながら思う。
私、決して彼のことが嫌なわけではないんだよなぁ、と。