副社長とふたり暮らし=愛育される日々
同居生活は今のところ順調。お兄ちゃんと暮らしていたせいか、案外早く馴染むことができたのだと思う。
それでも、やっぱり副社長は他人の男性だから、ドキッとさせられることは多々ある。
酔って寝てしまった私を、気がついたら彼がベッドに運んでくれていたり、タオルを取ろうと脱衣所に入ったら、同じタイミングでお風呂から彼が出ようとしてきたり……。
同居生活は危険がいっぱいだ。だけど、とても楽しい。
朝食を食べ終え、ラフなプライベートモードの副社長から、髪型を整えスーツを着こなした仕事モードに変わる瞬間も、ときめくシーンのひとつ。
ネクタイを絞めると同時に表情も引き締まるのがわかるから、その格好良さに私は密かに惚れ惚れしてしまっていたりするのだ。
そんな彼と、今日は一緒に出勤する。私が日勤の時は家を出る時間が同じくらいだからと、私のこともついでに明智さんが車で送迎してくれるらしい。
部屋を出てエレベーターに乗ると、一階のボタンを押しながら副社長が言う。
「俺は遅くなるかもしれないから、先に夕飯食べてろよ」
「はい。でも……なるべく待ってます」
彼を見上げて、そう答えた。ひとりで先に食べるのは、やっぱりちょっと切ないから。
静かに下降する箱の中、隣に立つ副社長は、私を見下ろして優しく微笑む。
それでも、やっぱり副社長は他人の男性だから、ドキッとさせられることは多々ある。
酔って寝てしまった私を、気がついたら彼がベッドに運んでくれていたり、タオルを取ろうと脱衣所に入ったら、同じタイミングでお風呂から彼が出ようとしてきたり……。
同居生活は危険がいっぱいだ。だけど、とても楽しい。
朝食を食べ終え、ラフなプライベートモードの副社長から、髪型を整えスーツを着こなした仕事モードに変わる瞬間も、ときめくシーンのひとつ。
ネクタイを絞めると同時に表情も引き締まるのがわかるから、その格好良さに私は密かに惚れ惚れしてしまっていたりするのだ。
そんな彼と、今日は一緒に出勤する。私が日勤の時は家を出る時間が同じくらいだからと、私のこともついでに明智さんが車で送迎してくれるらしい。
部屋を出てエレベーターに乗ると、一階のボタンを押しながら副社長が言う。
「俺は遅くなるかもしれないから、先に夕飯食べてろよ」
「はい。でも……なるべく待ってます」
彼を見上げて、そう答えた。ひとりで先に食べるのは、やっぱりちょっと切ないから。
静かに下降する箱の中、隣に立つ副社長は、私を見下ろして優しく微笑む。