小さな恋嘘
それから、チャイムが鳴って。うちは席に着く。
「俺に感謝しろよ!」
うちと壱は席が隣。
昨日まではこの席はめっちゃ最高やったけど、今日はめっちゃ最悪や。
「じゃぁ、後で紗英ちゃんとこに行こな?」
「おぅ!」
一色紗英ちゃんは隣のクラスでめっちゃ可愛らしい子。うちとは全く正反対。
うちに勝ち目ないやん。
「…………」
「未央奈」
「………………」
「未央奈っ!」
「なに?」
「お前、今日しんどいん?」
「は?」
「だって朝から元気ないやん。」
……そんなん当たり前や。だって朝からずっと昨日の事考えとってんから。
やのに…こいつは何でこんな能天気やねん!
「壱のあほっ!話かけんな。」
うちはまた可愛くない事言って…そのまま寝てもうた。