joy to the world !
joy to the world!
指紋ひとつ付いていない窓の外に、たくさんの明かりが散らばっている。
元々高い場所があまり得意じゃない事もあるけど、正直綺麗というより怖いって気持ちが先に出る。
明かりの数だけ人がいて出逢いがあるなんてロマンチックな考えよりも、あのビルには一体どれくらいの人たちが働いているのだろうなと思うくらいには大人だ。
大人って言っていいかわからないけど。
だってさっきすれ違った小奇麗な女の人は「うわぁ!すっごく綺麗!」とはしゃぎながら、連れの男性の袖を可愛らしくひっぱっていた。
思えない私は大人じゃないのかもしれない。
っていうかジョシじゃないのかもしれない。
綺麗な壁や硝子に身体のどこもつかないよう細心の注意を払いながら、高い梯子の上にのぼった私はシザーケースに手を伸ばした。
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