私が消えても誰も困らない。
第1章 春愁秋思
なぜ生きているんだろうー。
彼女がいない今、俺に生きている意味はあるのか。
俺を必要としてくれた人はもういない。
俺が必要とした人はもういない。
それならばなぜ、俺は生きている?
何のためにこの7年を生きてきた?
俺がこの世界から消えたって誰も困らないー。
ならば、いっそ…。
『おい、あんた。俺と賭けをしねぇか?』
『勝ったらあんたの望む現在ってやつを創ってやる』
ある雨の日。
俺には選択肢が与えられたー。