謎解きソルフェージュ

教授をして天才といわしめる頭脳を持ち、なんの苦もなく東大法学部を卒業して国家公務員I種試験に合格したが、就職はせず大学院に進学。
心理学で博士号を取得し、発表した何本かの論文は高い評価を受けている。

いちおう肩書きは博士だが、「面倒くさい」と組織に所属せず働いてもいないという。
なんでも水埜家は旧財閥に連なる資産家で、働かずとも悠々自適なのだとか。

非凡なIQで、働く必要もない金持ちのお坊ちゃん。
先祖代々（？）の庶民である鞠子としては、なんだか癇に障る。

それにしても、東大法学部→国家公務員I種試験に合格→心理学で博士号取得、と辿っている学歴は牧教授とぴたりと合致している。

あるいは教授も経済事情が許せば、あくせく学生の指導をしたり教授会だ理事会だと世事に時間を取られることもなく、研究だけに没頭しているかもしれない。

なんとも恵まれた男だ、水埜 泉（ﾐｽﾞﾉ　ｲｽﾞﾐ）。