謎解きソルフェージュ
そんな警察官になる夢の前に、まず立ちはだかったのが母の雪江だった。
夫は警察官という仕事で命をすり減らし、早死にしたようなものだ。
この上、一人娘まで同じ目に遭われてはたまらない。雪江の心配はもっともといえばもっともだった。
だが、鞠子の決意も固かった。
父が折にふれつぶやいていた言葉がある。
「犯罪事件の被害者の遺族は、無間地獄に落とされるんだ。その悲しみ、苦しみが消えることはない。
犯人を逮捕することで、その心の傷が少しでも癒えればと思ってる」
父の遺志は自分が継ぐのだ。
お母さんもいつか分かってくれるだろう。
だが、高校三年時の進路調査で、そんな鞠子の固い決意と将来の夢は粉々に打ち砕かれることになった。
夫は警察官という仕事で命をすり減らし、早死にしたようなものだ。
この上、一人娘まで同じ目に遭われてはたまらない。雪江の心配はもっともといえばもっともだった。
だが、鞠子の決意も固かった。
父が折にふれつぶやいていた言葉がある。
「犯罪事件の被害者の遺族は、無間地獄に落とされるんだ。その悲しみ、苦しみが消えることはない。
犯人を逮捕することで、その心の傷が少しでも癒えればと思ってる」
父の遺志は自分が継ぐのだ。
お母さんもいつか分かってくれるだろう。
だが、高校三年時の進路調査で、そんな鞠子の固い決意と将来の夢は粉々に打ち砕かれることになった。