その灯火が消えるまで


「どっか行くとこだったの?」

「…散歩」


「おお!じゃあ、一緒に行こ!この辺案内したげる!」

「えっ」


女の子は俺の腕を引っ張ってずんずん歩く。


「おっ、おいっ……!」



まさか痴女じゃないだろうな。

俺を人気のないところに連れてって(この村じゃどこも人気ないけど)襲う気か?!



と、思ったのは俺の自意識過剰だった。



「この田んぼねー、◯◯のみかばあって言う人がやってるんだけどー」


その辺の田んぼや畑についてべらべら楽しそうに話す。



< 10 / 413 >

この作品をシェア

pagetop