その灯火が消えるまで
「じゃあ、今日越してきた貴也くんに、
特別にいいものを見せてあげます!」
「…またどっかのババアの畑じゃねえだろうな」
「なっ!ちがうよー。ていうか、ババアなんて言い方は反たぁいっ!」
ピッ!となぜか挙手する結灯。
だって今までさんざん△△ばあの田んぼだとか、□□じいの畑だとか見せられたし。
結灯は用水路のところまで田んぼの縁から降りる。
「おいおまえ、落ちるぞ」
「大丈夫」
そして。
「おいっ!」
結灯は、ピョンっ、と用水路を向こう側へと飛び越えた。
「貴也も早く!」
向こう側から、笑って両手をブンブン振る。