その灯火が消えるまで
幹歩が怪我してから3週間。
親は、ついに離婚。
最後の親父の言葉が、今でも耳にこびりつく。
「出来損ないはいらない。
俺の将来の名誉のために金かけておまえを育てたのに」
母さんは最後まで俺の味方で。
最後まで親父を睨み付けていた。
友情なんて、愛なんて。
あっさり冷めてしまうもの。
俺はどれだけ危うい世界にいたのか、
そこから抜け出して、心底安堵した。
もう二度と親友なんていらない。
恋人なんて、いらない。