その灯火が消えるまで
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「結灯はみんなと近いようで、一番遠いのよ」
「どういう、こと?」
瑠衣は、席に座り、俺と翼も座らせる。
「あの子は、男を恋愛対称として見ない。
今まで何回もいろんな人に告白されてるけど、結灯は全部断ってる」
「別に好きじゃないだけだろ」
「そうかもね。
じゃあ、女子に対してはどうか。」
瑠衣はふーっ、と息をついて言う。
「絶対に、女子のグループには属さない。
休みの日に数人だけの集まりとかに誘っても、絶対に来ないわ。
全部、うまい理由をつけて断る」
「…………でも、お前とは親友だろ」
瑠衣は、眉を下げて微笑む。
「結灯が、そう言っているのを聞いたことある?」