その灯火が消えるまで
10



「結灯はみんなと近いようで、一番遠いのよ」

「どういう、こと?」



瑠衣は、席に座り、俺と翼も座らせる。


「あの子は、男を恋愛対称として見ない。

今まで何回もいろんな人に告白されてるけど、結灯は全部断ってる」

「別に好きじゃないだけだろ」


「そうかもね。

じゃあ、女子に対してはどうか。」


瑠衣はふーっ、と息をついて言う。


「絶対に、女子のグループには属さない。

休みの日に数人だけの集まりとかに誘っても、絶対に来ないわ。

全部、うまい理由をつけて断る」

「…………でも、お前とは親友だろ」


瑠衣は、眉を下げて微笑む。


「結灯が、そう言っているのを聞いたことある?」
< 157 / 413 >

この作品をシェア

pagetop