その灯火が消えるまで


「いてぇ!」

「……失礼。

だから怒ったの。

『私はあんたが好きだから一緒にいたいの!』ってね。

そしたら、一瞬だけ泣きそうな顔をした。

でもすぐにいつものにこにこに戻って、
『ごめんね』

って言うから、勝手に付いて回ることにしたのよ。

絶対になにか理由があるわ」




理由。



あいつは、開けっ広げなようで

なにかを隠してる。




誰にも、見せずに。







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