その灯火が消えるまで


貴也の方が私にはかっこよく見えたし。




だから私は、邪魔者を消そうと思ったの。



カンタンだった。






3月の末、修了式間近。


ある日のお昼休み。

いつもの3人で勉強会。


貴也がトイレでいなくなったとき。


二人きりになったとき、幹歩が恥ずかしそうにしたのを、見逃さなかった。


確信する。

幹歩は私のことをまだ好きなこと。


「……ねえ、幹歩」

「…ん、なに?美津」


私は目を合わせて、目を潤ませる。



「あのね、お願いがあるの」




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