その灯火が消えるまで
「………た、貴也っ………」
うろたえる美津。
そして。
「え、なんで…………いるの?」
固まる結灯。
俺は、地面に尻餅をついていた結灯を支える。
「………だって、俺関係のことだろ、これ」
「…………そう、なんすけど……」
結灯はかなーり渋い顔をしている。
「………美津」
「……や、違うの貴也。これはっ……」
俺はもう。
こいつに対する情なんて、微塵もない。
「全部。聞いてた」