その灯火が消えるまで
「………追えば?」
公園の入り口を呆然と見たまま、
結灯は言う。
「………追わね」
顔もみたくないレベル。
騙されてたなんて、自分が恥ずかしい。
ていうか。
「お前、蹴られたとこ大丈夫か?」
「平気平気」
結灯はふらふらと俺から離れて、背を向けて立つ。
「うっ…………っゲホッ、ゲホッ!」
体を大きく揺らして咳をする結灯。
顔も見て分かるくらい、真っ青。
「!、おいっ!大丈夫かよ?! 」
「っ……ハァ、だい、じょうぶ」
しばらく黙ったあと。
結灯は、口を開く。
「ごめんね、貴也」
「…………ん?何が?」
結灯は俺を振り返ってにっ、と笑った。