その灯火が消えるまで


それを伝えたかったけど。


恥ずかしくて、
小さい声で最後に絞り出した言葉。







結灯は何も言わずに微笑んで。



静かに俺に近付いて、

俺の目から落ちた水滴を指で掬って。






「貴也は意外と泣き虫だよね」



そう言って、また笑った。



< 199 / 413 >

この作品をシェア

pagetop