その灯火が消えるまで

「ん?」

何も知らない結灯はいつものように笑う。



「結灯。休憩時間、一緒に回ろーぜ」



にかっ!と躊躇いなく誘う翼。


こういう所が翼のすごいところだと思う。

好きな人の話には照れるくせに、
話しかけることにも行動にも迷いがない。



「…………」

俺は今さら何もできないので、
黙って見守る。


(どうするんだ……)



「ごめん無理ー」




< 209 / 413 >

この作品をシェア

pagetop