その灯火が消えるまで
「と、灯理」
小さい身長の結灯はそいつに抱き締められて苦しいのか、背中をポンポン叩いてる。
「ごめんごめん」
にこにこと結灯から離れる。
顔は、うん。
けっこう、イケメン。
身長も結構あるし。
「……結灯。その人は………?」
「ああ、あのね」
結灯が言おうとしたら。
「彼氏」
…………え?
そいつは、結灯の側に立って、
ギロリと俺を睨む。
「灯理!」
結灯は智理をべしっと叩く。
「弟だよ!」
「………おお、そうか」
少しだけ、焦りを感じた。
「………」
そいつはだまって俺を睨み続ける。