その灯火が消えるまで


「と、灯理」

小さい身長の結灯はそいつに抱き締められて苦しいのか、背中をポンポン叩いてる。


「ごめんごめん」

にこにこと結灯から離れる。



顔は、うん。

けっこう、イケメン。


身長も結構あるし。



「……結灯。その人は………?」

「ああ、あのね」


結灯が言おうとしたら。

「彼氏」


…………え?




そいつは、結灯の側に立って、
ギロリと俺を睨む。


「灯理!」

結灯は智理をべしっと叩く。



「弟だよ!」

「………おお、そうか」


少しだけ、焦りを感じた。


「………」

そいつはだまって俺を睨み続ける。

< 233 / 413 >

この作品をシェア

pagetop