その灯火が消えるまで
「あれ、そんなところに立ってどうしたの?貴也」
「あ、」
俺が校門で立ち尽くしていると、
声をかけてきたのは瑠衣だった。
「今、結灯の弟が来てて」
「げっ!あいつか!」
瑠衣は嫌そーな顔になる。
「知ってんの?」
「知ってるよ!あいつ!今たぶん中3。
すっごいシスコンなの!
もう結灯のことが大好きってかんじ!」
「………シスコン」
「そう!あいつ、顔はイケメンでしょ?!
で、勉強も結灯並みにできるしテニスでは全国大会とか行ってるしで!
すっごいモテんの!」
…少女マンガのようなすばらしいやつだな。
瑠衣はさらに嫌そうな顔で続ける。
「でもさー、女子には基本喋らないし、
結灯にだけ反応するわけよ!
学校でもだよ?!
んで、うちらが結灯と一緒にいると睨まれてさぁ、ほんとにシスコン!」
瑠衣は不満がたくさんあるようで、
すごい形相で教えてくれた。