その灯火が消えるまで








「………理、灯理!」

「……あ、ごめん」


我に返って振り返ると、
ゆうちゃんが困った顔で笑っていた。


「学校来ちゃダメって、言ったじゃん」

「…………だってさぁ」


ゆうちゃんがふう、とため息をついた音がして、ちょっとだけ、後悔する

……けど。



「ありがとう、灯理」


俺の頭の上に、ひんやりとした冷たい手の感触がして。

なでなでと、俺の頭を優しく撫でる。



大好きな、ゆうちゃんの手。




< 237 / 413 >

この作品をシェア

pagetop