その灯火が消えるまで
あとどれくらい、
手を繋ぐことができるだろうか。
あとどれくらい、
笑う姿を見られるだろうか。
「灯理、あそこ見て!きれいだよ!」
「……ほんとだ」
あとどれくらい、
荒い呼吸を押し殺すのだろうか。
あとどれくらい、
次も目が覚めることを祈りながら、
目を閉じるのだろうか。
俺は前を向いて、
歪む自分の、醜い顔を見せないようにしながら。
沈む夕日を見て、思っていた。
「すごいきれいだね」
隣で笑う大好きな人は
あとどれくらい、
一緒にいられるだろうか。