その灯火が消えるまで
16
「あ、貴也ー」
「お、結灯!」
「ワォンッ!」
夜10時の蛍太郎の散歩。
「最近ぜんぜん来なかったじゃん」
結灯に夜に会うのは文化祭前以来。
「はっはっはー。
結灯ちゃんにも忙しい時期はあるのよ。
蛍太郎っ!元気だった?!
しばらく見ないと、とんでもないスピードで大きくなるねぇっ!」
「ワンッ!」
蛍太郎と結灯はひしっ!とくっつきあう。
「お前食いしん坊だもんな」
「ワンッ!」
蛍太郎はご飯をもりもり食べる。
最初は片手で持ち上げられたのに、今は両手で抱き抱えないと持ち上がらない。