その灯火が消えるまで
「……疑問点?」
結灯は、下を向いたまま。
そう、疑問点。
「誰かと親密になること……親友、恋人になることを、避けてる。
授業だってサボる。
そのくせに色んな奴に積極的に話し掛ける、
毎日学校に来てる。」
「………」
静かに、下を向いたまま、
結灯が息を呑んだのがわかった。
「それがおかしいんだよ。
友達と親しくなるのが嫌なら、
関わらなきゃいいことだし、
授業に出たくないなら、
学校に来なければいいことだ。
サボる授業も規則性が全くない。
………お前は、心底学校を好きだ」
「……………」
結灯は黙っている。
黙って下を向きながら。
「………結灯?」
「………っ」
必死に、泣き声を抑えていた。