その灯火が消えるまで
17
「おいてめぇ。最近どーゆう風の吹き回しだ、コラ?」
「………別に何もないですけど」
12月初め。
結灯の秘密を聞いてから1ヶ月。
「最近結灯と仲良さげに下校してるって
周りから噂流れてんだよ、お?」
俺にキレているのは、瑠衣。
「……別に、付き合ってる訳じゃないし」
「それは本当だなっ?!」
ここで割り込んできたのは翼。
翼も少し不安なんだろう。
「ほんとほんと。帰り道が一緒だから最近一緒に帰ってるだけ。
ほんとに何もない」
『まだ』、何もない。
結灯が元気になってから気持ちを伝えるって、決めてる。