その灯火が消えるまで
「まだ、結灯って家にいるかな」
放課後、瑠衣がポツンと言った。
「……そうか。家にいけばいいのか」
俺も少し明るくなった………けど。
「お前ら、あいつの住所知ってんの?」
と、翼。
「「……知らない」」
俺と瑠衣の声が重なる。
「瑠衣も知らないの?」
瑠衣を見ると、ギロリと睨まれる。
「………休日に二人きりで遊んだこともないし、遊んだときも結灯の家は絶対ダメって言われてたし」
「………徹底してるな」
そう言って。
………ん?
徹底してる?
そこまであいつは、
住所を教えなかったのか?
なんで?
家が特定されると悪いことってなんだ?
そんなに仲良くなりたくないなら、
普通は休日だって会わない。
じゃあ『引っ越し』は、嘘?