その灯火が消えるまで
「結灯は、病気だよ。
難病で、治る手立てがない。
結灯は、近いうちに死んでしまうんだ」
それから、戸塚は一気に話し出した。
結灯が病気であること。
重い病気で、治る可能性が0であること。
学校で具合が悪くなったら、サボる振りをして、実は保健室で匿ってたこと。
自分の家に住んだことがほとんどなくて、
病気が発覚してから、
ほぼずっと病院暮らしであること。
余命が、最高であと3ヶ月。
もう、いつ死んでもおかしくないこと。
自分と仲良くなった人を、
自分が死んだときに悲しませないために
距離を取り続けてたこと。
全部を、話してくれた。
「……あなたと、結灯はどういう関係なんですか?
医学部医学科出身って聞きました」
戸塚は、眉を下げて笑った。
「…俺の弟が、結灯と同じ病院にいたんだ。
もう死んだよ」
「………」