その灯火が消えるまで
「…………あーあ、約束破っちゃったよ~!」
自分で整えたベッドにダイブして、
ボスンボスン跳ねる。
人がいなくなった保健室はいつもの風景。
そのはずなのに、俺には違って見えてる。
あの子のせいだろうか。
結灯が何度も楽しそうに話してくれた、
あの子。
結灯を変えた子。
また結灯の前に現れて、俺に希望をくれた子。
まっすぐに、
迷いなく俺を見つめた、あの子。
朝倉貴也は、
間違いなく結灯を助けてくれる。
目を見てすぐにそう思ってしまったから、
俺は全てを、あの子に託したんだ。
結灯が、叶多のような思いをしなくていいように。