その灯火が消えるまで
その日の6時間目。
「あれ?梶原は?」
教壇に立った教師は教室を見回す。
生徒たちも結灯の席を見るけど、
梶原の席は空だった。
「……またサボったなあいつ!」
教師は仕方ないといった風に笑い、
生徒たちも
「またかー」
「結灯、サボるときだけ誰にも気付かれないようにいなくなるよねー」
生徒たちに頷きながら先生は、
「あいつ、いつもどこに行ってるんだろうな~!
前、教頭が奴がさぼってるときに探し回ったらしいけど、どこにもいなかったらしいぞ」
「結灯さすがー」
「サボりのプロだな!」
結灯が授業をサボることが日常茶飯事な2年8組は、しばらく結灯の話で盛り上がった。