その灯火が消えるまで

こんなときなのに。


久しぶりに面と向かった結灯を、
やっぱり好きだなって思う。



ふっ、と口から息がこぼれて。


「今まで頑張ってきたくせに、
最後に色々諦めてどうすんだよ。

台無しじゃねぇか」




結灯の瞳が、ゆらゆら揺れる。




「一度全力で始めたんだ。


………………最後まで、全力でやれよ」




ポン




小さい頭に、俺の手を乗せる。




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