その灯火が消えるまで


しばらく笑って、


「………はー……」



一息ついて。




結灯はようやく、俺を見上げる。



その目には、涙がうっすらと浮かんでた。

笑ったときの涙か、それとも違う涙かも。




「…………やっぱり、貴也は、貴也だ」




結灯は、あの夜別れて以来の。



……………ようやく、笑顔を見せた。



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