その灯火が消えるまで


結灯は、長い間『死』を見つめてきたから、自分の死のことを話すときも、落ち着いて話せるのかもしれない。






結灯の病気が、治ればいいのに。


奇跡が、起こればいいのに。





「またあした」


「うん。ありがとう、貴也」



手を振って病室を出る。




そして、ため息が出る。



俺は、弱いな。

一日目で、こんな気持ちになるなんて。






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