その灯火が消えるまで
病院を出る時、自動ドアが開いて、
顔をあげると。
「………………あ」
「…………」
結灯の弟の灯理が、
目を見開いて立っていた。
「灯理」
「なんでてめぇが、いるんだよっ!」
灯理が走ってきて、
俺のシャツの襟元を掴み上げる。
「どうしてこの場所知ってんだよ!」
灯理の目は、ギラギラと怒りに燃えて、
すごい形相だった。
「……俺が戸塚遥香に問い詰めて、昨日会いに来た」
「……昨日?」
灯理が片眉をひそめる。
「ゆうちゃんに追い返されなかったの?」
「…………約束、した」
だんだん、息苦しくて途切れ途切れになる。