その灯火が消えるまで
「お前が来てからはもっとだよ!
毎日毎日貴也、貴也って言うし
夜だって病院を出ようと抜け出す回数も増えた!
びしょびしょになって帰ってきた日は病院に着くなり気絶した!
お腹を蹴られて帰ってきた日もあった!
その日は、………血を吐いた!」
「…………え?」
びしょびしょになって帰ってきた日?
腹を蹴られた日?
全部、覚えがある。
目を見開いた俺を見て、
確信したように詰め寄る。
「覚えがあるんだろ?!
どんだけゆうちゃんが色々がまんしてきたか分かっただろ?!
ゆうちゃんのために身を引くとか、しろよ!」
俺の肩をドンドン叩いて、最後はかすれ声になる。