その灯火が消えるまで
「…………場所、変える」
灯理は立ち上がって、俺の手をぐいっ、と引く。
(まさか、俺を殴るつもり……?)
って思ってたけど。
「座れ」
予想に反して、灯理は優しかった。
連れてかれたのは病院の裏。
ベンチがあって、その下に丘がある。
そこから、田舎の町が一望できる。
俺が座ると、灯理も不機嫌そうな顔で座る。
「………感情的になって……わ、悪かった」
ふんっ、て感じに謝る。
なんか、かわいいなコイツ。
「いや、俺も色々お前の気に障ることしてたんだと思う。
俺も、ごめんな」
灯理はぺっ、て顔をする。
………前言撤回。