その灯火が消えるまで
「……今のが、たまにあるんだ」
灯理は俺を見るわけでもなく、ただ呆然とどこかを見ながら言った。
「急に痛がるんだよ。
あまりの痛みに叫び出して、大量に血を吐く。
………どんどん、進行してるんだ」
灯理は、涙を流していた。
「………そんなに、結灯は………」
灯理は、キッ、と俺を見る。
「お前、耐えられるか?!
何事もない顔して、またゆうちゃんに話しかけられる?
会いに来られる?!
ゆうちゃんはそれが怖いんだ!
起きたときに何があったかだんだん思い出して、恐る恐る俺を見るんだ!
………俺、ちゃんと笑えるか、分からない。
毎回、笑って話したあとに、
ああ、俺、今日も笑えたって、安心してるんだ!
………俺、自信ない」
ポタポタと、灯理の涙が床に落ちて、
光を反射して光る。