その灯火が消えるまで
「…っ!………ハア、ハァ」
目を開けると、ぼんやりと白い天井が見えた。
視界の悪い、私の世界。
音も、遠くで聞こえているよう。
身体中が重くて、からだの中を、何かが暴れているような、痛み。
ああ、夢じゃない。
「結灯?」
大好きな声が、聞こえる。
その人は最近、私と話すときに手を握ってくれる。
私に近くにいるよって、教えてくれるんだ。
「……………たかやっ!」
弱くなってしまった私の目からは、
涙がこぼれる。
きっと今、私の涙さえ、涙じゃない。
赤い涙が、流れてるんだろう。
「どうした、結灯?」
ぎゅ、と手が握られる。