その灯火が消えるまで


貴也は、しばらく返事をしない。



「………………」


「…………………貴也?」




また、ぎゅ、と手が握られる。



「俺が、お前を忘れない。


絶対に忘れないし、忘れられない。




大丈夫だ。みんな、お前を大好きなんだ。



そう簡単に、忘れたりしない」





貴也の声は、安心する。


この人が言うなら。

私は、安心できる。





「…………うん。………………うん………!」



私は再び、眠りの世界へと落ちていった。





< 377 / 413 >

この作品をシェア

pagetop