その灯火が消えるまで
『貴也へ』
一番上に、俺の名前が書かれていた。
この字は、あいつしかいない。
『私、最後に言えるか分からないから、
これだけちゃんと言うね。
大好きです!
今の私は、貴也に会わなければなかった。
きっと友達もいないし、今、貴也とも会ってなかった。
ありがとう。
私がいなくなったら、あなたはどうするんだろう。
それだけが、心残り。
もっとたくさん話したかったし、
遊びに行きたかった。
つい、そんなことを思ってしまう。
でも、別に彼女作ってもいいし、結婚だってしていいよ。
私は、もういなくなるから。
それでも、許せるから。
だって、貴也はきっと私を覚えててくれる。
私が大好きだった貴也はちゃんと、いたんだから。
ごめんね、よく分かんないかもだけど。
とにかく、大好き!
ありがとう!
結灯』