その灯火が消えるまで






田んぼだらけの道を走って、


用水路を飛び越えて、


坂を掛け上がる。







「……………」





ぶわあっ、て。




あのときのように、光に満ちていた。




無数の光が、暗闇に浮かび上がって


土を、


木を、


葉を、


空を





照らす。







「蛍太郎っ!すげえ、すげえだろ!」


興奮を抑えきれずに話しかける。



「ワンッ!」

蛍太郎も、いつもより元気に吠える。



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