その灯火が消えるまで



「すげえ、すげえな………!」




1年前は出なかったのに。



どんどん、どんどん、涙が溢れる。




『すごいでしょ?』



結灯の声が、する。




『蛍は命を燃やして、光るの。

あれは、命の灯。

きれいな、儚い、命の灯。


その灯火が消えるまで、全力で生きる』




あの時の、結灯の言葉。





今、分かる気がした。



あいつは、『蛍』と自分を重ねていた。

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