その灯火が消えるまで


なんで気付かなかったんだろう。


「クゥン?」

蛍太郎が、不思議そうに俺を見上げる。


こいつは結灯の代わりって、あいつは
言ってたじゃないか。


『蛍』




命尽きるまで、全力で生きる。






その灯火が、消えるまで。







でも違う気がした。



結灯の中の蛍はそうだったかもしれない。





だけど俺は、なんだか違う気がした。




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