その灯火が消えるまで
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「………最悪」
俺はさっきからイライラしている。
ゴンッ!
「いってぇ!」
何度目かも分からないくらい、
頭をぶつけている。
俺の頭がおかしい訳じゃない。
自分でやってるんじゃなくて…
「あっははー!貴也!頭ぶつけすぎ~」
「てめぇの運転のせいだろ!」
そう。
俺は今、車の中。
「しっかし田舎だねぇ。道路も舗装されてないし」
「…てッ!ババア!気を付けて運転しろって言ってんだろ!」