その灯火が消えるまで


なんだかほっとした俺は、力が抜けた。


そして……

「てめぇあぶねーことすんなっ!」

「ぐぇっ!ごめんーー!」


結灯をがくんがくんゆすった。


「あれ?貴也くん、もしかして泣いてるの?」

「…は、はぁ?!」


言われて気付く。

確かに俺の目からは、ぽろぽろと何かが。



(えっ?! なんでだ?! )




「ははは、ありがとうよー、貴也ー!」


さすさすと俺の背中を撫でる結灯。




「ちっ、ちがっ、これは川の水っ……」


割れながら苦しい言い訳。





(どうすればいいんだ!)




心のなかでパニックに陥っていたとき。





「くぅーん………」



「「あ」」


俺たちは顔を見合わせた。





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