その灯火が消えるまで
覚えてるのは、大きなお家。
僕のお母さんがいて、兄弟がたくさんいた。
それから、三人の人間たち。
お母さん、お父さん、女の子。
『わあ!こんなにいっぱい生まれたの?』
『そうなのよ。かわいいでしょう?』
やっと最近目が開いた僕の目の前に、女の子の顔が近付く。
『キャウン!』
その子は、僕や兄弟を片手で無造作に持ち上げて握る。
痛かったし、いやだった。
ある日僕は川原に連れていかれた。
『見て!この子、うちの犬!』
『わあっ!かわいー!』
女の子と、その友達が何人かいた。