その灯火が消えるまで


僕はたくさん叫んだ。


女の子が川にザブザブ入ってくる。



『ワンッ!』


助けて!



その子は段ボール箱に手を伸ばして



……でも、その手は段ボール箱に届かなかった。



『わあっ!流れが速い!
どうしよう!私が溺れちゃう!』

『○○ちゃん!危ないよ!やっぱり戻ってきなよ!』


『どうしよ、でも△△が!』

『それより○○ちゃんのが危ないでしょ!
早く戻ってきなよ!』



『………うん。ごめんね、△△』




え?




その子は、僕を助けないで、岸に引き返していった。




< 402 / 413 >

この作品をシェア

pagetop