その灯火が消えるまで
心の中で助けを呼んだそのとき。
『大丈夫?!』
段ボールの外から、声が聞こえた。
『ワンッ!』
助けて!
最後の、僕の声。
すると。
ふわっ、と段ボール箱が浮いて、
僕の箱の中から、どんどん水が出ていった。
気が付くと僕は陸の上にいて。
箱から顔を出して見ると、
今のご主人があの子のほっぺたをペチペチ叩いていた。
『ワンッ!』
と言うと、あの子たちは僕の方を向いて笑った。
あの子は僕の頭を撫でて
『無事でよかった』
そう言って笑った。